2006年04月24日

お母さんというもの。

 母の日が近いですから(近い、よな? スーパーに広告が踊る程度には)ちょっと「母親」というものについてお話したいと思います。
 年頃の娘さんや息子さんは、年頃であるが故に「親ってうざい」とか「金だけ寄越してりゃ良いのに」とか「早く縁きりたい」とか思いがちで御座います。
 今日はそういう人に向けて書いてみます。つーか本当、別にこれなんかの勧誘とか自己啓発セミナーとかじゃないですから。

 あなたが自分の母親をどうしても好きになれない時、自分は愛されていないと感じる時、私はあなたに「胎児に戻ってもう一度産まれて御覧なさい」と言います。
 それは詰まり、あなたが小さな命として発生してから、どんな風にして産まれ、此処まで育ったのかを考えて御覧なさいという事です。あなたの記憶の中のお母さんはそれは酷い人で、冷たい仕打ちばかり、鬼みたいだったのかもしれない。それでも、考えてみて欲しい。
 まず、あなたがまだおたまじゃくしだった頃の事。多分お母さんは食べた物を吐き戻したり、苛々したり、泣きたくなったりして居たでしょう。肌が痒くてたまらなくなったり、眠気に襲われていたかもしれません。髪がばさばさになり、虫歯が増えたかも。
 其の時期が過ぎると貴女のお母さんは好きな服を着れなくなったでしょう。約半年の間、ヒールの高い靴とか、細身で綺麗な洋服とか、可愛い、或いは格好良い服を着ることを諦めなくてはならなかったと思います。
 で、厚手の靴下とかトレーナーとかウエストがゴムのスパッツとかに甘んじなくてはならなかったりしたでしょう。おせっかいな姑から暑苦しい腹巻を贈呈されたかもしれません。あなたがもし、お洒落の好きな女性だったら其の気持ちを想像してみて下さい。
 でも、あなたのお母さんは自分が好きな洋服を着てお酒を飲んだり煙草を吸ったりすることよりも、あなたを産み育む事の方を選びました。仕事をして居たお母さんは、仕事を諦めたかもしれない。
 それは勿論、沢山の理由と環境の中での選択でした。でも私はこう思います。お母さんはあなたを「産みたかったから」お洒落や仕事を我慢したんです。
 何で産みたかったかというと、あなたを愛していたからです。殺したくなかったからです。
 やがて月満ちてあなたが産まれます。それで、お母さんは頑張って体型を元に戻して綺麗な服を着て遊んだと思いますか? あるいは、仕事に復帰したと思いますか?
 そうする人も居るかもしれませんが常識的に考えて私は無理だったと思います。何故なら、人間は毎晩毎晩三時間おきに叩き起こされていたのでは元気に活動する事が難しくなるからです。
 平均を取ると新生児の授乳の間隔は大体三時間、長くても四時間程度だそうです。人によっては二時間おき(一時間という人もいらっしゃるらしい)にお乳を与えなくてはなりません。
 一日か二日で良いですから、二時間おきに目覚ましをかけて寝てみてください。疲れも取れないしかなり辛い筈です。ゆっくり眠れる事がどんなに素晴らしいか思い知るでしょう。
 でも世の中の殆どのお母さん、或いはお父さんはこの辛い数ヶ月を乗り切っています。乗り切ったから今、あなたが居るんです。乳をやるのが面倒だ負担だと丸一日放置されていたら、そういう事を平気でする人が両親だったら、恐らくあなたは今生きては居ません。実際其の手のニュースは定期的に耳に入ります。
 では何故あなたは育てられたのか。生きているのか。
 あらゆる種類の嫌がらせを、多分あなたはしてきました。夜中に泣き喚き、お母さんの大切な洋服を汚し、本を破り捨て、掃除したばかりの床にしょうゆとケチャップをぶちまけ、真っ白な壁紙に油性マジックで絵を描いて、水溜りに突撃して泥まみれになったことでしょう。それも、一度や二度ではなく数え切れないほどに。
 それでもお母さんはあなたを捨てたりどっか他所のうちの子にしたりはしなかった。大変個人的な意見ですが、でもそれはきっとお母さんがあなたの事を好きだったからです。どんな嫌がらせをされても離れたくないほどに好きだったんです。
 今もそうかは残念ながら解りません。でも、あなたの記憶がおぼつかなくなるほどずっとずっと昔には、確かにあなたは愛されていたのだと、私はそう思うのです。
 もし今、あなたとあなたのお母さんの関係が悪くないのなら何かの機会にでも尋ねてみると良いでしょう。「私が産まれた頃に何か大変な事はあった?」とか「どんな悪戯した?」とか。
 お母さんから聞かされる話がぎょっとするものであるほど、お母さんが「あんたのせいでこんなにも苦労した、あんなに辛かった」と言えば言うほど「それでも捨てたりはしなかった」という事実が強く意識されると思うのです。
 其の事を良い風に解釈するか、悪い風に解釈するかはその人次第です。が、私は良いように解釈した方が良い気分になれると思います。
 つまり、「そんなに辛かったことも結局我慢してしまうくらい私の事が好きだったんだなあ」と。口に出しても良いかも知れない。案外お母さんは「そうよ、其の位あんたが可愛かったの」と答えるかもしれません。
 「そんな筈無いでしょ!」と言われた場合は萌えてください。あなたのお母さんは、ツンデレです。


 個人的には素直クールの方が好き。
 落ちがついてしまって色々と台無し。そして実は自分の為に必死で考えたレトリックだという事実。でも実際こう考えてみると世の中のお母様方、尊敬に値します。
 まあ実際、あの人が嫌いこの人が嫌い、では精神衛生上宜しくないですから。血が繋がった相手とは良かれ悪しかれ縁は切れないものですし。どうにかして好意を持てればそれが一番だと思うんですよ。
 今日の記事が変な宗教みたいなのは気にしないで下さい。自分で読んでも胡散臭かったけど、本当気にしないで。


posted by こがよしひさ at 23:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 思考嗜好志向 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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