2004年11月18日

リスカ。

何故リストカットするのか

 別に何が有った、とか言うわけじゃなくてふと思いついたので。
 リスカをする人が周囲に居ないから、居ても詳しく話を聞いた事が無いから、もしくは聞いていても誤解していて、「死にたいから手首を切る」のだろうという誤解をしている方が大勢居ます。居ると思います。
 他人にこの話をする時、私は先ず何よりも先に「死にたいんじゃない、生きていたいから切るのだ」と説明します。
 すると、大抵物凄く納得いかない、と言う顔をされます。で、何とか説明を試みようとするのですが自分でも何と言って良いのか解らなくて、それでつい「癇癪を起こしているような感じ」「自分では抑えられない」というような筋の通らない説明をだらだらする事になってしまうのです。
 しかしそれではいけない。そんな説明では「周囲の人間が止めてやれば治まるものだ」と誤解されてしまう。でも、「自分の苦しみに気付いて欲しくて切る」というカウンセラー関係の方がよく出す説明もなんか違う。そうじゃない、そうじゃないのです。
 誰かに心配して欲しいならもっと別の方法があるし、私は同情されたいわけじゃなかった。で、今までずうっと悩んでいたのですが、何となく今日良い説明が浮かんだから忘れないうちに書き留めて起きます。
 リスカで悩んでる人が検索かけて引っ掛けてくれたらもうけもの、という事で強調までしてみた。(あざとい)

 先ず話を解りやすくする為にたとえ話をします。たとえ話です。
毎日毎日絶対に会わなければならない人が居て、その人が会うたびに「あんた死んだ方が良いよ」「何で生きてるの?」「頼むから死んでくれ」「本気であんた見てると不愉快だから、居なくなってくれない?」などと暴言を吐くとします。
 でも、その人には絶対毎日会わないといけません。どうしてもその言葉を聞かなくてはならないのです。
 さて、ここで普通の人はどんな行動を取るでしょう。先ず最初に思いつくのは、「抵抗する」ですね。
 暴言を言われたら言い返す。何でそんなに酷い事を言うのか、そんな事言わないでくれ、と交渉します。
 もしくは、自分よりも強い発言力を持つ人に味方になってもらう。相談する。
 または、ギリギリまで我慢はするけどある日ブチ切れて殴る、というのもありですね。めげずに笑顔で接し続けてやる、というつわものも居るかもしれません。
 では此処に、もう一つ条件を足してみましょう。その人には、口答えする事が出来ません。自分の周りの人は全員その人の味方で、誰も庇ってくれません。腕力も絶対向こうが上で、殴りかかっても負けは確実です。
 さあ、どうなるでしょう。其のうち身体的暴力も始まるかもしれません。それでも抵抗できないとしたら、どうしますか。というか、どうなりますか。
 普通の人は精神的におかしくなるんじゃないでしょうか。此れは明らかに過度のストレスを加えられている状況です。自律神経の一つや二つや三つや四つは失調してもおかしくないでしょう。
 分裂病になったり鬱病で死にたくなったりするかもしれませんね。
 では、其の状況を回避するにはどうすればいいのか。其れはやっぱり、抵抗するしかないんです。自分を守る為には、心の中に生まれたストレスのはけ口を見つけるしかない。どうにかしてストレスによって生じた歪みを逃し、心の安定をはからなくてはならないのです。
 此処までが、たとえ話。
 つまりリスカというのは、いかなる方法によっても外に出せなくなってしまった行き止まりの過負荷を追い出す為の逃避行動なのです。
 現実にリスカする人を追い詰めるのは上のたとえ話のように解り易いストレスでは有りません。色々な環境や原因が混ざり合って(中には誤解もあるでしょう)います。
 だから、ストレスを感じている本人ですら自分が何故不愉快になるのか解らない事があります。でも、現実にストレスだけは溜まっていきます。原因が解らないから対処のしようはありません。でも、精神的に耐えられる限界はどんどん迫ってきます。
 そういう時、心の安定をはかる為、精神の崩壊を防ぐ為に緊急回避としてリストカットするようになります。男性の場合家庭内暴力に発展するようですが、女子はリスカが多いです。(または両方併発する事もある)
 死にたいわけでは有りません。寧ろ、自分を守る為なのです。ストレスの発散といえばまあゲームセンターでパンチングマシンを叩いたり、バッティングセンターで思いっきりボールを叩いたり、というある意味「暴力行為」が手っ取り早いですよね。(この場合純粋に力を解放すると言う意味であって偏見は有りませんあしからず)
 しかし自分に突然襲い掛かる原因不明の不快感や苛々をやり過ごす為に深夜0時にゲーセンに行くわけにはいかない。というか、そういうことで気分が晴れるだなんて想像も出来ないです。
 すると一番手っ取り早く暴力を振るえる相手は、自分なんです。MDプレーヤーを破壊すれば頭が冷めた時後悔するに決まってますからね。
 で、衝動に任せて切ってしまう。すると、何とも言えない開放感がある。自分を押さえつけていた理不尽なものがすうっと軽くなる気がします。これは、経験しないとわからないでしょうね。とにかく、「クセになる」んです。凄い効き目なんです。
 しかしリスかはあくまで緊急回避です。ストレスの原因は残っているから、一定期間が過ぎれば再び限界がやってきます。それでリスカの開放感を思い出して、やってしまうんです。
 だからリスカをしている人に「どうしてそんな事をするんだ!」「親が泣くぞ!」といった叱責は止めて下さい。「怒られたというストレス」が増える事によってリスカが激しくなります。
 何故リスカをするほど追い詰められてしまうのか、其の原因を突き止めないと幾ら責めても治りません。鬱病も原因の一つであることが多いので専門医に診せるのはまあ必要でしょう。

 嗚呼スッキリした!!!!今度から私は誰かにリスカの事聞かれたらこの記事のアドレスを渡す事にするよ。万人に当て嵌まる事ではないですが(何せメンタルなことだから)少なくとも私のリスカについては説明しきった。
 取り合えず、薬でリスカが治っても本当の原因がなくならないと今度は薬に依存するようになるから何はともあれ原因を潰さないとね。リスカは思春期の女の子に多いんですけど(大人でリスカしてる人は少女の頃からずっとやってるという事が多い)、必然的に親との確執が問題だったりします。
 家庭がしっかりしていれば多少の荒波に揉まれても子供は逞しく乗り越えてしまうもの。リスカしてる娘を責めるのはお門違いなので人の親であるという方は宜しく。
 間違っても私の父親のように「今度こんなことしたら俺が五寸釘ぶち込むからな」などと怒鳴らないように。(毒)あ〜、此れだから父親の事だけは乗り越えられないんだよ。貰った傷が多すぎる。


posted by こがよしひさ at 21:26| Comment(1) | TrackBack(0) | メンタル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
リストカットの説明を見させて頂きましたが、すっごく分かりやすい説明で私が何故リストカットするのか納得しました! ずっとモヤモヤしてたんです、自分でもよくわからないうちに切ってたので・・・、では長文失礼いたしました(*^_^*)
Posted by 暁 小夜 at 2012年08月20日 20:42
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